ピラティスの歴史

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こんにちは。4月も半ばというのに寒いですね。近所の桜が満開を迎えていたのですが、花散らしの雨になりそうです。

さて、皆さんはピラティスをご存知ですか?よく、ヨガとどう違う?パッと見、マットの上で同じような動きをしているように見え、どう違うのか分からない、と言われます。端的に違いを言うなら、ピラティスは筋肉を鍛えるエクササイズ、ヨガは精神性と柔軟性重視、といったところでしょうか。ヨガの歴史は古く、紀元前インダス文明まで遡るということですが、ここでは、ピラティスの歴史をご紹介します。

ピラティス創始者であるジョセフ H.ピラティスは、幼少期はリウマチや喘息、くる病に悩まされるなどとても病弱だったそうです。それを克服するためヨガや体操、武術、スキーなどを積極的に行い、それらからオリジナルのエクササイズを考え、自己鍛錬に励んだそうです。このエクササイズがピラティスの原型で、そういう意味ではヨガの要素を取り入れたエクササイズと言えますね。

1920年代第一次大戦時イギリスのマン島で、ジョセフ H.ピラティスは負傷兵の看護等にあたります。自身の考案したエクササイズを負傷兵がベッドに寝たままでもできるリハビリに応用できないかと考え改良されたのが、現在のピラティスの始まりと言われています。この時にベッドのスプリング等を利用したリハビリ器具を考案し、現在のピラティス専用マシンへと発展していきます。1926年、ジョセフ H.ピラティスはアメリカニューヨークへ渡り、スタジオを開設しボクサー、ミリタリーへのピラティスの導入・指導、さらに有酸素運動などフィットネスの要素を加えピラティスを発展させていきました。

1930年代世界大恐慌時、食料の確保も難しい時代、このエクササイズはダンサーに受け入れられました。バレエをお好きな方ならご存知かと思いますが、ジョージ・バランシン、マーサ・グラハムなど著名なダンサーを始め、多くの身体を傷めたダンサーがジョセフ H.ピラティスの元でピラティスを学びました。その後、友人である整形外科医にスポーツ医学の分野で高く評価されたことから、ピラティスメソッドはダンサーやスポーツ選手の間に広まっていったのです。

1950年代には、ダンサーであるイヴ・ジェントリーが、乳房切除術後、運動機能改善のためピラティスを行い奇跡的な復活を果たしたことから、病院にピラティスの導入の動きが始まりました。1983年にはサンフランシスコで初めての医療的なピラティスのプログラムが作られるなど、リハビリ要素の点においても評価されていきました。

その後一般に広く普及しはじめたピラティスは海を渡り、日本へも伝わりました。美容や健康、スポーツのパフォーマンス向上のためにピラティスを取り入れている方も多くいますが、アメリカなどの海外と比べると、その認知度はまだ低いものです。特に、リハビリとしてもピラティスが使えることを知らない人も多いのではないでしょうか。こうした側面も多くの方に知っていただきたいなと思います。

ピラティスは呼吸とともに、ご自身の体重を利用して無理なくできるエクササイズです。もともとリハビリのために開発されたエクササイズなので、筋力や身体の柔軟性に関係なく行えます。高齢の方、産前産後の方、怪我をしてリハビリ終了後も不安な方、10年・20年後も元気でいたい方にもおすすめします。