ピラティスの健康効果,ブログ

腰まわりに激しい痛みを感じる坐骨神経痛。しびれを感じることもあるため、仕事や家事が思うように進めることができず、日常生活に支障が出てしまいます。

ひどい場合には歩行困難に陥ることもあるため、一刻も早い対処が必要です。坐骨神経痛の原因や、ピラティスを用いたエクササイズの効果などについてお話しします。

坐骨神経痛の原因
「坐骨神経痛」は、「神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)」の一種とされる疾患で、腰椎・骨盤の近くにある坐骨神経が圧迫されることによって起こる痛みのことをいいます。

坐骨神経が圧迫される原因はさまざまですが、代表的な理由としては、以下の3つが考えられています。

【姿勢の悪さ】
猫背などの悪い姿勢を保ったままデスクワークを行うと、坐骨神経痛になりやすいです。また、スマホでSNSやゲームなどに熱中するあまり、首を前に突き出し、うつむいた姿勢を長時間続けるのもよくありません。

【重たい物を持つ】
腰まわりに負担のかかるような重い物を持ち上げたり、その状態で階段をのぼりおりしたりすることで、坐骨神経痛になることがあります。

【肥満、太りすぎ】
体重が増加すると、身体を支える腰への負担が大きくなるために、坐骨神経痛を患うことがあります。

食べ過ぎを抑え、栄養バランスのよい食事を摂るほか、適度な運動を行うなどして、適正体重を保つことが大切です。

【加齢】
年齢を重ねるとともに、インターマッスルが衰えてきます。

そして、筋肉の衰えによって坐骨神経痛を患うことがあります。筋トレでは主にアウターマッスルを鍛えるため、いわゆる「筋トレ」では鍛えることができない筋肉です。

ピラティスなどのエクササイズを取り入れることで、インナーマッスルを鍛えることができます。

ピラティスでインナーマッスルを強化することで坐骨神経痛の痛みを解消 

坐骨神経痛を引き起こす主な4つの原因についてお話ししましたが、いずれも、身体を支えるのに十分なインナーマッスルが鍛えられていないことが原因です。

インナーマッスルの弱まりが発端となって、身体の重みを支える坐骨神経が圧迫され、痛みを発症させるといった流れです。

つまり、身体を支える腰まわりのインナーマッスルを鍛えることが、坐骨神経痛の解消に効果的なのです。

そこでおすすめしたいのがピラティスです。ピラティスには、腰まわりのインナーマッスルを効率的に鍛えることができるエクササイズがあるので、坐骨神経痛の「抜本的な緩和」に効果的です。

そのほか、前かがみになると痛みが強くなるヘルニア型の坐骨神経痛の緩和にも有効です。

ピラティスはリハビリの一環として誕生したエクササイズ

ピラティスは、1920年代にドイツの従軍看護師であったジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスによって開発されたエクササイズです。

戦争で負傷した人や病気を患った人の治療を促進するために用いられました。ジョセフのエクササイズは、多くの人々の痛みの軽減に貢献したり、病気やケガの後のリハビリとして効果があり、回復を早めたりしたことから、彼のエクササイズが「ピラティス」として確立されるようになりました。

ピラティスは2013年ごろから再び注目されるようになり、2016年から爆発的な勢いで人気を集め、現在では年間に1700万人もの人がピラティスに取り組んでいます。

そして、世界中のトップアスリートやモデル、ハリウッドセレブなどから絶大なる信頼を集めるエクササイズの一つとして、その地位を確立しています。

ミランダ・カーやレディガガ、今年引退を発表したイチロー選手などもピラティス経験者です。

専門インストラクターからの適切な指導を

ピラティスが誕生した背景について知ると、ピラティスはダイエットや美容のためだけではなく、病気を患ったり、ケガをした人のリハビリに効果的なエクササイズだということがわかります。

そのため、ピラティスは、坐骨神経痛やヘルニアなど症状緩和に貢献するエクササイズなのです。

しかし、ピラティスを行うにあたっては、「正しいやり方」を身につけることを第一に心がけてください。

そのためには、ピラティス関連の資格を持つプロのインストラクターに直接指導を受けることが大切です。正しいやり方を学ばずに自己流を貫いたり、症状に応じたピラティスを行わなかったりすると、症状を緩和させるどころか、悪化させてしまうこともあります。

さらに、インストラクターの選定には、細心の注意を払ってください。インストラクターの中には、正しい動きができておらず、自身が腰痛持ちという場合もあります…。インストラクターの資格や実績をしっかりとチェックした上で、スタジオ選びするようにしてくださいね。

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年齢を重ねると四十肩・五十肩といった肩の不調が出てきます。自分が経験していなくても、身近な人から、その苦しみを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

四十肩・五十肩は、必ず誰もが経験しなくてはいけない「避けられない症状」ではありません。ピラティスで予防することも、緩和させることもできます。

四十肩・五十肩になる原因 

四十肩と五十肩は症状や原因が違うわけではなく、何歳で発症しかたにより名前が変わります。40代で発症すれば四十肩、50代で発症すれば五十肩というわけです。

四十肩・五十肩は関節が炎症を起こし、腕の動きが制限される症状です。初期は強い痛みを伴います。腕が上がらないため、服を脱いだり着たりといった動きが思うようにできず時間がかかる、ブラシで髪をとかせない、高いところにあるものを取るために手が上げられない、という問題が出て日常生活に支障をきたします。

四十肩・五十肩になる、はっきりとした原因はわかっていないのですが、年齢を重ねるにつれ、肩の関節を覆う膜や筋肉と、骨を結ぶ靭帯が硬くなるため四十肩・五十肩になると考えられています。

四十肩・五十肩は、ある日突然発症することがほとんどです。腕を動かしたときに肩に強い痛みが出て、それ以降肩を動かすと腕や指先に痛みが走ります。

四十肩・五十肩には「急性期」と「慢性期」「回復期」があり、五十肩を発症したときが急性期です。この時期は関節が炎症を起こしているため強い痛みが続き、眠れなくなる人もいます。また、痛みだけでなくしびれを感じる場合もあります。

急性期の痛みは数日間で収まりますが、鈍い痛みが残り肩を動かしにくくなります。次第に動かせる範囲が狭くなるのが慢性期です。多くの場合、肩を上げる、腕を後ろに回すという動きがしにくくなります。

しかし、痛いからと腕や肩を動かさずにいると肩や腕の組織がくっついてしまい、より一層うごかしにくくなります。

その後、回復期に入ると次第に痛みが減り、肩が動かしやすくなります。しかし、症状が残る場合や、回復するまでに数年かかる場合もあります。

四十肩・五十肩の回復期には肩を動かそう

四十肩・五十肩を発症しても、痛みが落ち着いたら少しずつ肩を動かし、筋肉や靭帯などの組織が固まらないようにしなくてはなりません。

しかし、急性期は肩が炎症を起こしているため、無理に動かすのは危険です。「痛い」と感じる動作は避け、安静に過ごしましょう。

肩が熱を持っている感じがしなくなり、動かしていないときは痛みを感じなくなったら、そろそろ動かしても大丈夫です。日常的な動作が無理なくできる慢性期に入ったら、振り子運動で少しずつ肩を動かすのがおすすめです。

振り子運動とは、痛みが出ている手に水の入ったペットボトルやアイロンなど500g~1kg程度の重さのものを持ち、腰をかがめながらゆっくり左右に動かす運動です。手に持ったものの重さで肩周辺の組織が伸びて少し楽になります。

回復期に入ったら、積極的に肩を動かして運動しましょう。このときにおすすめなのがピラティスです。

ピラティスはもともとリハビリとして誕生した運動なので、どこかにケガをしていても、その部分に余計な負荷をかけることなく運動できます。

ピラティスが四十肩・五十肩の予防に役立つ理由

ピラティスでは身体の中心を支える筋肉や、「この部分の筋肉を鍛える」と場所を特定して鍛えることができます。

そのため、肩の関節を支えサポートする筋肉に焦点を当てて鍛えることで、四十肩・五十肩を繰り返さないように予防することができます。

また、ピラティスを行うと全身の筋肉に意識が向きやすくなり、体を上手に使えるようになります。

体が自在に使えると運動時のパフォーマンスが上がるのはもちろん、ケガをするリスクが減るという面から、アスリートが練習メニューにピラティスを取り入れるほどです。

つまり、ピラティスは四十肩・五十肩の予防や再発予防にも有効だということです。ピラティスをすると全身の筋肉バランスが整い、インナーマッスルが鍛えられるので正しい姿勢を保ちやすくなります。姿勢の悪さが改善されると、肩こりや腰痛も解消しますし、きれいな姿勢を保てれば見た目の印象も変わります。

四十肩・五十肩になる理由は肩を覆う組織の老化ですが、姿勢が悪く体が歪んでいたり、運動不足で血行が悪かったりすると、四十肩・五十肩になりやすいと言われています。

そのため、体のバランスと姿勢を整え、適度な運動で血行がよい身体を保つことは、四十肩・五十肩をはじめとしたさまざまな症状やケガを避けるうえでも有効です。 ピラティスは毎日ではなく、週に1~2回行うのが理想です。痛みに悩むことなく動かせる体を保ち、元気な毎日を過ごすためにも、ピラティスを始めてみて はいかがですか?

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私たちの体を支える骨盤は複数の骨が組み合わさってできています。そのため、それらの骨の位置がずれ、全体が歪むこともあります。

骨盤が歪むと全身にさまざまな悪影響が出ることが知られており、骨盤の歪みを調整する骨盤矯正が多くの女性から注目されています。

ピラティスはこの骨盤矯正にも効果的で、骨盤を整えることで全身の歪みや不調を解消できます。

骨盤が歪む原因と骨盤の歪みによる体の不調 

骨盤は私たちの腰にある骨です。腰は文字通り「体のかなめ」。腰は私たちの体のほぼ中央にあり、体を支える大事なパーツです。

腰には腸や子宮、膀胱など、大切な臓器があります。この臓器を包むように守っているのが骨盤です。

骨盤をイラストで見ると複雑な形をしたひとつの大きな骨のように見えますが、実は複数の骨が集まって組み合わさっています。そのため、強い衝撃を受けたり、偏った体の使い方をしていたりすると、その骨の位置がずれ歪んでしまいます。これが骨盤の歪みです。

骨盤が歪む主な原因は以下の通りです。

□体に強い衝撃を受ける事故にあった

□足を組むクセがある

□横座りをする

□いつも同じ側にカバンをかけたり、重い荷物を持ったりする

□同じ方向に体をひねったまま、長時間その姿勢を維持することがある

□体の同じ側ばかり使うスポーツ(ゴルフやテニスなど)や仕事をしている

体を左右均等に使えば歪みにくいのですが、「足を組む」「カバンを持つ」など、日常生活のなかで無意識に行う行為が原因で骨盤をゆがんでしまいます。

また「同じ側の手でラケットを振る」「同じ側の手足でボールを投げる、蹴る」など、スポーツが歪みの原因になることもあります。

人には右利き、左利きがあり、多くの人は利き手を使うことが多いため、生活をしているうちに左右差が生まれてくるのはある程度仕方のないことだと言えます。実際、ほとんどの人の骨盤には多かれ少なかれ歪みがあり、歪んでいない人は少数です。

しかし、骨盤に歪みがあると、全身の血行が悪くなるため体が冷えやすく、冷えるとむくみの原因になります。

また、骨盤が歪むと全身のバランスが悪くなることから、特定の筋肉に負担がかかりやすくなり、肩こりや腰痛の原因になります。

骨盤が歪むと体の左右バランスもずれるため、見た目の美しさが損なわれるというデメリットがあります。

さらに、女性の場合、生理痛や生理不順、不妊の原因が骨盤の歪みにあるとも言われています。それだけでなく不眠、頭痛、股関節やひざの痛みなども骨盤の歪みからきている可能性があります。

ピラティスが骨盤矯正に有効な理由 

骨盤の歪みを調整する骨盤矯正に有効なのがピラティスです。

ピラティスはインナーマッスルを含む全身の筋肉を鍛える運動で、骨盤周辺を支える筋肉にも効果があります。

インナーマッスルのひとつである、骨盤底筋もピラティスで鍛えることができます。

骨盤底筋とは、骨盤の底にある複数の筋肉の総称です。加齢や出産、また長時間座りっぱなしの生活をしているとこの筋肉が衰え、尿漏れや頻尿の原因となります。

この骨盤底筋は太ももや背中、お腹の筋肉ともつながっているため、骨盤底筋が鍛えられると骨盤の歪みが解消されやすく、姿勢が良くなり身体の軸が安定します。

インナーマッスルには、肋骨と骨盤の間を支える腹横筋や、背骨を支える多裂筋(背骨の深層筋)など、さまざまな筋肉があります。

ピラティスでこれらの筋肉をしっかり鍛え、正しく働くようになると、骨盤底筋が骨盤を底の部分から安定させ、腹横筋が骨盤を包むように支えます。

さらに多裂筋が背骨を正しく支えるため、身体の中心がさまざまな方向からしっかり筋肉でサポートされ、効果的に骨盤が矯正され理想的な位置に収まります。

ピラティスによって鍛えられたインナーマッスルにより骨盤の歪みが矯正されると、腰痛、肩こり、生理痛などの、骨盤のゆがみからくるさまざまなトラブルもあわせて改善することができます。

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多くの人が腰痛に悩んでいます。病院へ行ったりマッサージに行ったり、さまざまな方法で何とか対処しようとしているのではないでしょうか。もともとリハビリのために開発されたピラティスは、腰痛にも効果があり、腰痛予防にも役立ちます。

ピラティスのルーツはリハビリ 

ピラティスが生まれたのは1920年代。従軍看護師として勤務していたジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスが、傷ついた兵士たちのためのリハビリとして考案しました。

リハビリを受ける兵士はみんなケガをしていたので、傷ついた体でも無理なく筋肉を鍛え、早く回復できるようにと考えられたのがピラティスです。

そのため年齢や性別に関係なく、どこかを痛めていても体を鍛えることができるエクササイズとして多くの人に支持されています。

腰痛の場合、「動きたいけれど動くと腰が痛い」「運動をしてこれ以上腰に負担がかかり、よけい腰痛がひどくなったらどうしよう」という不安や心配から、なかなか運動もできないという人も多いでしょう。

しかし、ピラティスはもともとリハビリとして考案されたエクササイズ。ピラティスなら、腰痛の人でも腰に余計な負荷をかけずに運動ができます。それどころか、腰痛になった原因を取り除き、腰痛にならない体づくりの助けにもなるのです。

腰痛になる原因

いったいなぜ腰痛になるのか、そこから考えてみましょう。

椎間板ヘルニアのように、明らかな病気から来る腰痛もありますが、腰痛で病院を受診する人の85%にははっきりした病名がつきません。

病気ではないけれど腰に痛みがあるため、牽引したり電気を当てたり、ストレッチ指導を受けたりします。それで回復すればいいのですが、多くの人がそれだけでは十分な効果を感じられず、腰痛を治す方法を探し回っています。

腰痛の原因は複数考えられますが、最も大きな理由が姿勢の悪さです。

理想的な体の状態は、立った時に背中が自然なS字を描き、頭と腰、足が地面に対してまっすぐ垂直のラインにあること。

ところが多くの場合、腰と背中が丸まって猫背になっていたり、腰が反り返ってお腹を突き出すような姿勢になっていたりと、自然なS字の背中でもなければ、頭・腰・足がまっすぐ垂直にもなっていません。この状態でバランスを取ろうとすると、腰に負担がかかってしまうのです。

また、生活スタイルの変化により、長時間座ったままで過ごすことが増えています。きちんと骨盤が立ち、その上にまっすぐ背骨と頭が乗っている状態で座っていられればよいのですが、座った姿勢も背中が丸く前かがみになることが多く、腰に負担がかかってしまいがちです。

また、足を組んだり横座りをしたりというアンバランスな座り方がクセになっている人もいますが、こうした座り方をしていると骨盤が前後にゆがんできます。その結果、腰の一部にだけ強い負荷がかかり、腰痛を発症してしまうのです。

ピラティスは全身の筋肉を鍛えますが、特にインナーマッスルと呼ばれる体の中心にある筋肉を効果的に鍛えることができる運動です。インナーマッスルがしっかり鍛えられていると、体の芯が安定して正しい姿勢を保ちやすくなります。正しい姿勢を維持するだけで腰にかかる負担が減るため、腰痛の緩和につながります。

また、姿勢が悪いと全身の筋肉をバランスよく使うことができません。姿勢を保つため、一部の筋肉に余計な負荷がかかるかわりに、ほとんど使われない筋肉も出てきて、体の左右がアンバランスになります。

しかしピラティスでは左右同じ動きを繰り返すため、体の左右差を整え、普段使わない筋肉も含めて全身の筋肉を鍛えていきます。その結果、ピラティスを通じて正しい姿勢をキープできるようになります。

正しい姿勢が維持できれば、座っているとき、立っているときにどこか特定の箇所にだけ負荷がかかりすぎることはありません。また、ピラティスに取り組むことで体幹を安定させる効果があり、腰にかかる負荷が軽減されるため、腰痛改善と予防につながるのです。

腰痛に効くストレッチ

ピラティスには腰痛に効果があるエクササイズが複数あります。

ご紹介するのはストレッチですが、とても簡単なので、自宅で定期的に行ってみましょう。

(1)あお向けに寝転び、両ひざを立てます。両手は左右に広げて伸ばします。

(2)両ひざをそろえたまま右側に倒します。

(3)中央に戻し、今度は左側に倒します。

(4)左右両方で1セットとし、10セット行いましょう

足を倒すときに息を吐き、戻すときに吸うのがポイントです。両ひざを倒すと、背中が気持ちよくストレッチされる感覚が味わえます

ピラティスでインナーマッスルをしっかり鍛え、正しい姿勢を維持できるようになれば、腰痛の予防・改善につながります。ピラティスは10回行えば何らかの変化が感じられるようになるので、まずは10回を目指してレッスンを開始してみませんか?

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突然強い痛みが走り動けなくなるぎっくり腰。こうなると動かず安静にしているしかありません。痛いのもつらいのですが、仕事を休んだり予定をキャンセルしたりしなくてはいけないのも苦しいところです。

ぎっくり腰は繰り返すことも多いため注意が必要ですが、ピラティスに取り組むことでぎっくり腰が予防できます。

ぎっくり腰の原因 

ぎっくり腰の正式な名前は急性腰痛症です。

私たちの腰は、腰椎という5つの骨で構成されています。その腰椎の間にある椎間板や関節、腰椎を支える筋肉や靭帯に部分的な損傷が起こるのがぎっくり腰です。

強い痛みがあるのは数日で、安静にしていれば次第に痛みが和らぎ動けるようになります。多くの場合、1カ月以内に痛みは消えてしまうのですが、繰り返すと椎間板ヘルニアや慢性的な腰痛に移行することもあるため、軽く考えずにきちんと対処する必要があります。

ぎっくり腰は、重い荷物を持ち上げようとしたときなどに起こることが多いのですが、靴下を履こうとして下向きの姿勢になったときや、呼ばれて後ろを振り返ったときなど、日常生活の何気ない動きが原因で発症することもあります。若い人もぎっくり腰になることはありますが、多くの場合、加齢現象が始まる30歳以降で発症します。

ピラティスで全身の筋肉も整えれば、腰への負担集中を軽減できる

多くの人が、前かがみになりつつ体をひねった姿勢を取った瞬間にぎっくり腰を発症します。

過去にぎっくり腰を経験した人は、その時の姿勢を思い出すと「前かがみだった」「ひねりがあった」と気づくのではないでしょうか。この体勢を取ると、力学的に腰の一カ所に強いストレスが加わります。そのため、ぎっくり腰を誘発しやすいのです。

しかし、すべての人がこの体勢を取ったときにぎっくり腰になるわけではありません。ぎっくり腰になる人もいれば、ならない人いまもいます。いったい何が違うのでしょうか。

ぎっくり腰にならない人は、体の使い方が上手で、腰だけに負担がかからないように動く方法を本能的に行っていたり、関節を保持する筋肉がしっかり鍛えられ、機能していたりするためだと考えられています。この、関節を保持する筋肉というのがインナーマッスルです。

ピラティスは、インナーマッスルにスポットを当てて鍛えることができる運動です。

一般的な筋トレは体の表面の筋肉にアプローチしますが、インナーマッスルは鍛えられません。しかし、体を支え、腰椎の関節を守るのは腹横筋や骨盤底筋などのインナーマッスルです。腹横筋はコルセットのような役割をします。この筋肉は手や足が動くより少しだけ早く収縮してくれますが、この働きが悪いと腰痛を引き起こす原因となります。ぎっくり腰にならないよう予防するためには、インナーマッスルを鍛え、しっかり機能させることが必要なのです。

それだけではありません。ピラティスではインナーマッスルはもちろん、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができます。

身体が歪んでいると、筋肉が左右アンバランスになってしまうのですが、ピラティスでは左右同じ動きを繰り返すため、左右のアンバランスを解消し、同時に体の歪み、姿勢の悪さも解消できます。すると、どちらか片方の筋肉にだけ過度な負荷がかからなくなります。この点も、ぎっくり腰予防に効果的です。

また、ピラティスを行うと、バランス感覚が養われ、さらに自分で自分の体をコントロールしやすくなります。

スポーツ選手がピラティスを行うのは、体を自分でコントロールできる能力を身につけ、ケガを回避できるようにするとともに、パフォーマンスを上げるためです。「体を自在に操る」「ケガを予防する」というのは、ぎっくり腰の予防にも通じます。

ぎっくり腰になった人がピラティスをやるタイミング

ピラティスはもともとリハビリを目的として生まれた運動なので、ぎっくり腰になった人でもピラティスをすることは可能です。

しかし、痛みや炎症があるうちは、ピラティスはもちろん、全ての運動をしてはいけません。まずは安静にして、痛みは引くのを待ちましょう。

痛みがあるということは、炎症が起きているということ。そんな時にピラティスをしてしまうと、さらに筋肉に負荷がかかりよけいに筋肉を痛め、炎症を悪化させてしまう恐れがあります。

まずはダメージを受けた部分をしっかり休ませて、修復させることが大切です。損傷を受けた組織が早く回復するよう、たんぱく質や糖質、ビタミンなどをしっかり摂りましょう。

ぎっくり腰のあと、ピラティスを始めるタイミングとしては「歩く」「料理をする」「お風呂に入って体を洗う」などの、日常生活の動作が普通にできるようになってからです。お医者さんにも相談してみるといいでしょう。

ぎっくり腰になったということは、関節や筋肉が異常な状態になっているということです。早く元の正しい状態に戻してあげることが大切です。

ピラティスでは動くことで筋肉や骨格を整えていくので、本来の正しいポジションに関節や筋肉が戻るよう働きかけることができます。 ぎっくり腰になった後のピラティスは、体を正しい状態に戻し、さらにそれをしっかり体に覚えさせるという意味でも効果的なのです

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現代人の多くが悩まされている「肩こり」。子どもの頃は肩こりとは無縁だったのに、勉強や仕事の時間が長くなるにつれ、「肩こりがひどい、つらい」と感じるようになります。

マッサージに行けば楽にはなりますが、しばらくするとまた肩こりが再発するのが悩ましいところです。

このエンドレスに続く肩こりを自力で解消できるのがピラティスです。ピラティスで体のコアとなる筋肉を鍛え、正しい姿勢を体が覚えると、自然と肩こりに悩まされることはなくなります。

肩こりの原因

肩こりの原因はいくつか考えられますが、そのうちのひとつに「姿勢の問題」があります。

私たちは普段の生活の中で、パソコンやスマホを使用したり、文字を書いたりするとき、視線を下に向けるため、気づかないうちにうつむき姿勢になっています。

うつむいて頭が下がると、自然と背中も腰も丸くなって猫背になります。仕事や勉強の時間、スマホを操作する時間が長くなればなるほどこの姿勢でいる時間も長くなるのですが、この姿勢は肩や首の筋肉にとても負担がかかります。

というのも、頭は4~5kgもの重さがあります。まっすぐな姿勢を保てれば、その重い頭を全身で均等に支えられるのですが、猫背になりうつむくと、その頭を支えるために首と肩の筋肉に強い負荷がかかり、肩こりになってしまうのです。

筋肉の緊張も肩こりの原因です。肩こりの人は肩の筋肉が張って緊張している状態が続いていることが多く、筋肉がこわばっています。筋肉が緊張する原因には、例えば動作の度に肩があがるくせがあるなど、肩甲骨の安定ができていなかったり、姿勢をはじめとした肉体的な問題だけでなく、精神的問題も関与していると考えられています。

私たちの体は、ストレスを受けると自律神経が活発に働いて筋肉が緊張します。リラックスする時間が少ない生活が続く人は、常にストレスにさらされているため筋肉の緊張が続き、慢性的に肩こりの状態になります。

また、精神的な問題以外に、眼精疲労や冷えでも肩周辺の筋肉が緊張して肩こりにつながります。

もうひとつ、無視できない原因が血行不良です。運動不足や長時間のデスクワークなど、動かない時間が長く続くと血流が悪くなります。

血行が良ければ血液を通し、どんどん細胞に新しい酸素を運び老廃物を回収できます。しかし血行が悪くなると、酸素が届かず老廃物も受け取ることができません。

肩の筋肉にも老廃物がたまったままになるので、肩こりになるのです。こうなると筋肉はさらに硬くなります。すると血液の流れがもっと悪くなり、肩こりが悪化する悪循環に陥ってしまいます。

マッサージ(揉みほぐし)では根本解決にならない

「つらい肩こりはマッサージを受ければ解決できる」「定期的に受けるマッサージでしのいでいる」という人も多いでしょう。たしかにマッサージしてもらうと楽にはなりますが、それは根本的な解決ではありません。

マッサージをしてもらったその時は良くても、その効果は永遠に続きません。ひどい人なら、長時間マッサージをしてもらっても物足りなく感じますし、数時間後や翌日、良くても1~2週間もたてば「また肩こりがつらい、マッサージを受けたい」となってしまいます。これが一生続くかもしれないのです。

理想は、「マッサージを受けなくても良い体になること」「肩こりのない体になること」ではないでしょうか。

ピラティスは体の中心にあるインナーマッスルはもちろん、全身の筋肉をバランスよく整える運動です。インナーマッスルが鍛えられると、正しい姿勢を維持しやすくなり猫背が改善できるため、肩と首の筋肉にかかる過度な負担を軽減できます。

それだけでなく、全身の筋肉をしっかり動かして鍛えることで新陳代謝が上がります。すると血流がよくなり、筋肉にたまっていた疲労物質を流して十分な酸素が届けられます。動かすことで固まっていた筋肉が無理なくほぐされていき、左右対称の動きを繰り返すため、体の左右の筋肉バランスも整っています。

ピラティスで全身を鍛えよい姿勢を体が覚えれば、どこか特定の筋肉にだけ過剰に負荷がかからなくなるので、肩こりや腰痛に悩まされなくなります。ピラティスは、「肩こりのない体」「マッサージを必要としない体」を作れる運動なのです。

自宅でできるピラティスエクササイズ

ピラティスレッスンの準備運動として導入している、簡単なピラティスのエクササイズをご紹介します。

(1)床にマットを敷いてあお向けに寝転びます。

両ひざを立ててリラックス。両手は体の横に自然に置きます。

(2)息を吸いながら、腕を天井に向けて伸ばします。

天井に触れるようなイメージで、肩甲骨と肩甲骨の間を広げます。

(3)息を吐きながら、肩甲骨を寄せていきます。

マットに肩甲骨を押し付けるようなイメージです。肩甲骨を離す、寄せる、を繰り返し、その中間に肩甲骨の位置を戻します。

(4)息を吸いながら手を天井から頭、吐きながら横から体の横へ回します。

肩甲骨から弧を描くように腕を動かします。反対からも回します。

(5)息を吸いながら肩を上げ、吐きながら肩甲骨を下げます。

肩を耳に近づけ、肩甲骨を下げる時はおしりのポケットに肩甲骨をスライドさせるイメージです。終わったらその中間に肩甲骨の位置を戻します。

非常に簡単なエクササイズですが、首と肩の緊張がゆるんで、肩こりが楽になっているはずです。寝る前など、気づいたときに実行してみましょう。

また、日中活動しているとき、あお向けになれない時も、意識して肩を上下させたり回したりすることで肩の緊張がゆるみ血流が良くなります。

そして普段の生活では、肩甲骨が寄っても離れてもいない、上がっても下がってもいない、中間(肩甲骨のニュートラル)で肩甲骨を安定させていくよう心がけましょう。

セルフケアでも肩こりは緩和しますが、ピラティスでインナーマッスルを鍛え、正しい姿勢をいつでも保てるようにすると、肩こり以外の悩みからも解放されます。肩こりに悩んでいる人は、ピラティスを始めてみませんか。

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ダイエットや理想的なボディラインを得るために行われることが多いピラティスですが、もともとは戦争でケガをした負傷兵のリハビリとして考案された運動です。

そのため、ダイエット効果のほか優れたリハビリ効果があるとして、医療関係者からも注目を集めています。

ピラティスのリハビリ効果やその成り立ちについて詳しくお伝えします。

ピラティスの歴史 

ピラティスをこの世に生み出したジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスは、第一次世界大戦中にドイツの従軍看護師としてリハビリを行っていました。

ケガをしているため自由に動けず、なかなか回復できない負傷兵たちを見たジョセフは、ケガをしていてもできるエクササイズを考案します。それがピラティスです。

もともとジョセフは身体が弱く、ぜんそくやリウマチ熱などの病気に悩まされていました。そのような背景から、自分を鍛えることに強く興味を抱き、ヨガや座禅、体操、武道、ボクシングなどさまざまなスポーツやエクササイズに挑戦し、体を鍛える研究をしてきた人です。

そのため、ピラティスにはヨガをはじめとしたいろいろな要素が取り込まれています。そして、体力がない人やケガをしている人でも無理なく行えるエクササイズとして、ピラティスが作られたのです。

ピラティスはリハビリに効果がある

現在ではダイエットやボディラインの調整、アスリートのトレーニングメニューとして注目されていますが、本来はリハビリ目的で、リハビリにも非常に高い効果があるのがピラティスです。

ピラティスにはマットの上で行うマットピラティスと、ベッドやイスなどの道具を使って行うマシンピラティスの2種類があります。

マットピラティスはベッドに横になったままの負傷兵でもできるエクササイズがもとになったもの、マシンピラティスはベッドやイスなど、病院にあるものを利用して体にかかる負荷を調整し、体の動きをサポートしながらできるエクササイズが進化したものです。

マシンエクササイズの元になったのが、ジョセフ・ピラティスが手作りした機械で、ベッドのスプリングを使用するなど、その場にあるものを再利用しつつ工夫を凝らしたものでした。

スプリングによって、どれだけの負荷をかけて運動するかの調整ができるため、リハビリを受ける人にあった負荷にすることができます。

そのため、無理なく、できるだけ苦痛を与えることなく、インナーマッスルを鍛えつつ筋肉をほぐしていくことができるのです。

リハビリをしたことがある人はわかると思いますが、ケガをした部分をしばらく動かさないでいると、筋肉が痩せて靭帯が固まってしまいます。それを伸ばしたり曲げたりして動かすようにするときの痛みは、想像を絶するものです。

ピラティスのトレーニングではゆっくり体をほぐして動かすため、無理に靭帯を伸縮させる痛みを伴いません。ケガをしている負傷兵が最小限の苦痛で、最大限の効果を得られるエクササイズなのです。

ピラティスは全身のリハビリに効果的ですが、特に骨盤や腰椎周辺のケガや病気の回復に優れていると言われています。

ピラティスのマシンを使ったエクササイズは、日常生活で使わない筋肉や、普段意識しにくい筋肉にも効果的に働きかけ、鍛えることができます。また、正しい動きをサポートしてしっかり狙った筋肉を鍛えることができるのも、リハビリに効果的な理由です。

ピラティスは理学療法士や作業療法士からも支持されている

病気やケガのリハビリは、理学療法に基づき行われます。

体の機能を回復させ、運動やマッサージなどで体に刺激を与え、体の機能を回復させるのが理学療法で、これを専門的に学び試験を受けて国家資格を得た人が理学療法士です。また、リハビリの現場では、作業療法士も同じように活躍しています。

理学療法士や作業療法士がピラティスに注目し、積極的にピラティスを学び、医療の現場に取り入れてようとする動きが見られます。身体機能に詳しく、多くの患者さんたちに日々接しリハビリの最前線にいる人たちからも、「ピラティスはリハビリに効果がある」と認められている証拠だと言ってよいでしょう。

ヨガがブームになったときはこのような動きは起きなかったため、ピラティスの効果のほどを医療関係者も認めているということでしょう。

ピラティスを取り入れれば、苦しかったリハビリが苦しくないものに、そしてより早く身体機能が回復し社会生活に復帰していけるようになります。ピラティスにより、多くの患者さんにとって喜ばしい方向へと医療が変化しているのです。

ピラティスの健康効果,ブログ

こんにちは。急に寒くなってきましたね。寒くなってくると体を屈めてしまいがちです。肩や腰が痛くならないよう、気を付けていきましょう。

何度かこのブログでもご紹介していますが、ピラティスはリハビリから始まったエクササイズです。そのため、どんな方にも無理なくエクササイズしていくことが可能です。特に手術や怪我などを経験すると、その後の運動は難しい場合がありますが、ピラティス専用マシンであれば、弱い所をスプリングが補助してくれるため、少しずつ筋力をつけていくことが可能です。エクササイズの姿勢は寝た状態、立った状態、座った状態、あらゆる姿勢でのエクササイズがあります。マシンでのエクササイズはざっと300種類以上はあると思います。

さて、当スタジオはポストリハビリに力を入れています。お客様で、腰部椎間板ヘルニアの方がいらっしゃいます。体験レッスンでお越しになられた当初は、電車の揺れも痛みに響き、とてもお辛い様子でした。ほぼ1週間に1度はエクササイズにお越しになり、2か月を経過するころには電車は無理なく乗れるようになり、電車に乗り遅れまいと、うっかり走ってしまうほど、快方に向かっていらっしゃいます。こういう声を聞くと、この仕事をやっていて本当に良かったと感じます。

さて、椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間でクッションの役割をしている椎間板が突出し、神経を圧迫することで痛みが生じます。突出している場所にもよりますが、大抵の場合、屈曲時(体を前に丸めたとき)痛みが生じます。腰痛には腹筋を鍛えるといいと言われますが、この場合、身体を屈曲させる、いわゆる腹筋運動はむしろ痛みを増幅させます。ですが、腹筋を強めることはとても重要です。「腹筋」と一口に言っても腹部の筋肉は「腹横筋」「腹斜筋」「腹直筋」とあり、多くの方がイメージする腹筋はあのシックスパック「腹直筋」ではないかと思います。いわゆる、身体を屈曲させることで強化される筋肉です。ですが、ヘルニアを始め、腰部骨盤間を安定させる筋肉は一番奥、「腹横筋」です。腹横筋は腰椎から腰椎、つまり腰部1周をぐるっとサランラップのように覆う筋肉です。この筋肉を強化させることで、天然のコルセットを身に着けることができるのです。基本的に呼気によって収縮します。エクササイズは必ずこの腹横筋を締めた状態で行うことで腰部骨盤間を保護します。ヘルニアを始め、腰の痛みに悩みがある方は、腹横筋の強化をお勧めします。

ピラティス専用マシンでは、寝る姿勢が辛い方は座ったまま、座る姿勢が辛ければ寝たまま、300種類以上あるエクササイズから、その方がとれる姿勢を選んで、エクササイズを行います。ヘルニアのように屈曲することができなくても、痛みのため背中を反らすことができなくても、腹筋や背筋を強化するエクササイズは無数にあります。手術や怪我を経験なさった方も同じです。リハビリを経て、症状が軽くなり、医師から運動の許可がでたら、まずピラティスを試してみませんか?ピラティスはポストリハビリとしてお勧めです。