ブログ

こんにちは。明日からゴールデンウィークですね。4月に入って生活環境が変わった方もそうでない方も、ゆっくり羽を伸ばしてリフレッシュしましょう。私は後半に、ちょこっと山に行く予定です。まだ残雪期、アイゼンもって出かけてきます。

さて、前回は5原則の1つ目、呼吸についてお話ししました。今日は2つ目、骨盤の配置です。人間の脊柱は横から見るとなだらかなS字を描いていて、耳・肩・骨盤の中心・膝の中央・くるぶしの前あたりが同じライン上にあるのが理想です。 背骨はS字のカーブカーブのおかげで、歩行時の地面からの衝撃や、腕や頭の重さの力を分散させています。腰椎の部分は軽く前弯している状態です。このカーブは、強すぎたり、あるいはフラットだったりすると、腰痛等の不調をきたします。また、これらには骨盤の前傾、後傾も付随します。

理想の脊柱、骨盤の配置は、ピラティスではニュートラルと呼んでいます。脊柱がS字カーブを描き、骨盤は前傾も後傾もしていない状態です。寝ている状態では、左右の前側、骨盤の一番出っ張っているところと恥骨を結ぶ三角形の面が、床と水平の場所がニュートラルだと言われています。ですが、腰部が緊張したり、あるいは鳩尾の後ろ側が浮いてしまったりすることがあります。その場合、軽く骨盤を後傾にし、緊張のない状態でエクササイズをしていただいています。

ピラティスはマットで寝た状態のエクササイズが多いのですが、マットから完全に足を浮かせた状態で行うエクササイズの際、骨盤はあえて後傾(インプリント)にしていただきます。インプリントはおしりの力を使ったり、尾骨を巻き上げたりするのではなく、お腹の力、腹斜筋で後傾にしていただきます。それは、足がマットから離れた状態は、腰椎に負担がかかり易いため、胸式呼吸によってすでに収縮している腹横筋、腹斜筋、多裂筋に加え、腹斜筋を使うことでより一層腰部を保護することを目的としています。1つ目の原則である呼吸、2つ目の原則である骨盤の配置を常に意識しながらエクササイズをするんですね。ちなみに、骨盤の前傾は前腿が強くて後ろ腿が弱い、腹筋が弱くて腰の筋肉が強いなんていう人に多いです。腰のカーブが強い分、上背部の後弯も強いケースが多いですね。骨盤が後傾している人は後ろ腿が強くて骨盤が後ろに引っ張られていたり、動かしていないせいで腰背部がガチガチだったりします。これらの姿勢に関してはまた機会があったらお伝えしたいと思います。

最後に、今年は無理ですが、来年以降ピラティスと他分野と連携したワークショップ開催を考えています。乗馬とピラティスについてはお伝えしていますが、登山についてもワークショップをいつか開催します。長野県山岳総合センターで開催するリーダー研修修了者や、白馬で山岳ガイドをやっている方に相談したところ「おもしろいね」と快諾いただきました♪山の地面は平ではありません。そうした場所でバランスを取れるようなエクササイズや、登山に向けた筋力アップ、気候やパッキングなど登山のための講座をスタジオで行い、いつかあこがれの北アルプス・・・なんていいですね。

ブログ

こんにちは。昨日は18:30〜藤が丘マザーズでレッスンがあったのですが、前に働いていた職場の子が体験レッスンに来てくださいました。遠いのに本当にありがとうございました!マザーズさんの営業時間が20:00までなので、その時間までに片付けも済む18:30を開始時間に設定していますが、これからも時々顔を出していただきたいので、少し遅めに開始できないか、お願いしてみます。さて、終了後みなさんの感想は、「なんかすっきりしたー」ということでした。そして、これを機にフェイスブックを立ち上げてみました(こちら)。横浜市内3か所のスタジオをお借りしてレッスンをやっていますが、まだすべての地図を反映することができていません。見切り発車ですがご容赦ください。

さて、ピラティスの5原則についてお伝えしたいと思います。既に書いているものと重複しますが、順を追ってお伝えしたいと思います。

1つ目は呼吸です。ピラティスでは、鼻から息を吸って口から細く吐く呼吸をするようにお伝えしています。それは、腹横筋・骨盤底筋の収縮を効率的に促すことができる呼吸だから、だと言われています。ピラティスを始めたばかりの頃は、ふーん、そうなの?どうだか。。。と思っていましたが、今はこの呼吸が一番やり易く感じます(単なる慣れかもしれませんが)。

吸う息は胸側を膨らませるのではなく、意識して背中、脇、できれば腰の方(肺の下部)まで空気を入れていきます。3Dの呼吸と呼んでいます。深い呼吸ですが、腹横筋をゆるませないために、胸式呼吸を推奨しています。腹横筋は腰椎から腹部をサランラップやコルセットのようにクルッと1周している深層筋で、この筋肉が収縮することで骨盤底筋や多裂筋といった腰椎・骨盤間を安定させる筋肉も収縮が促されます。エクササイズの最中は、吸っても吐いてもこの筋肉を使って腰部を保護していただくようお伝えしています。

この呼吸は、どれだけピラティスの経験をお持ちであっても、レッスンの最初に必ず取り入れて練習します。肋骨と肋骨の間には筋肉があって、呼吸に伴って広がります。人によっては左右どちらかが硬くなっていたり、背中側が硬くて背中を膨らますことができない方もいます。また、それはその日の体調や精神状態によっても変わってきます。大きく動かす筋肉だけでなく、呼吸で動く小さな筋肉にも意識を向け、将来に渡り、しなやかな身体を保てるよう、心がけていきたいですね。次回は2つ目の原則、骨盤の配置についてお伝えします。

ブログ

こんにちは。週末はゆっくり過ごせましたか?また1週間の始まりです。昨日はワークショップに参加して、合計4時間ピラティスエクササイズをやってきました。朝から筋肉痛です・・・。

ところで、すでに桜は散ってしまいましたが、ベランダではコデマリが咲き始めていて春だなーと感じます。うちのベランダにはオリーブの木を鉢に植えて置いています。オリーブは自家受粉しにくいと聞いたので2本置いていて、毎年花が咲くと、百均で買ってきた耳かきのふわふわした側でせっせと受粉させているのですが、実がついたことがありません。さらに、私のギラギラした下心に気づかれたのか、今年は2本のうち1本につぼみがついていません( ;  ; )。なぜでしょう・・・。どなたか詳しい方教えてください。

さて、ピラティスのブログでした。今日はピラティスの5原則についてお話しします。ピラティスには色々な団体・メソッドがありますが、私が資格を取得したSTOTT PILATES®のゴールは、怪我のリスクを避け、筋肉を不必要に大きくせず、強さ・柔軟性・持久力を追求する事としています。ニュートラルな姿勢、体幹の安定、正しい呼吸、脊柱の自然なカーブをつくり、余計な緊張をといていくことを目指しています。ピラティスを行う際に、まず習得していただく基本原則を「5原則」として定義しています。

1 呼吸

2 骨盤の配置

3 胸郭の配置

4 肩甲骨の動きと安定

5 頭と頸部の配置

ピラティスが初めて、という方や始めてからまだ数ヶ月、という方には必ずこの5原則をお伝えし、常に意識しながらエクササイズを行っていただきます。それぞれのお話しは、以前のブログの中でもご紹介しているものもありますが、次回以降、少し詳しく書いていきたいと思います。

ブログ

こんにちは。今日はどんよりとした空模様ですね。暑かったり寒かったり、体調を崩しやすい気候なので、気をつけていきましょう。

私はこのホームページでご紹介しているスタジオの他に、都内のピラティススタジオで週2階程度レッスンを行っています。昨日はそこで働くインストラクターの情報交換や打ち合わせとともに、勉強会に参加してきました。

ピラティスはたくさんの流派(メソッド)があり、私が取得しているSTOTT やDK のほかにもいくつかの国際資格があり、エクササイズの名称や動き、そもそもの考え方など若干異なります。その都内のピラティススタジオではPEAK PILATESの資格取得者が多く、お互いの持っているスキルの交換をする場として、定期的にこうした勉強会を開いています。

ピラティスはマットで行うエクササイズの他に専用マシンを使ったエクササイズがあります。マシンは、スプリング等を利用し、エクササイズを助けてくれたり、負荷をかけたり、左右差を修正するなどの働きがあります。マットでは、ひたすら自重と自身の力でがんばるのが基本です。でも、時にはマットエクササイズでも、マシンと同じような「助けになるもの」または「さらなる負荷」が欲しい時があります。そんな時に登場するのが小道具なんですね。昨日の勉強会では、ビッグボール(バランスボール)を利用したエクササイズをご紹介しました。

写真は、負荷をかけるタイプです。ハムストリングを鍛えるためのエクササイズで、肩から膝まで一直線のまま、かかとでボールを引き寄せます。結構、効きますよ。この他にも全部で10種類程度のエクササイズをご紹介してきました。ボールの上でポンポンと跳ねるエクササイズもあります。これはとてもいい有酸素運動になりますので、痩せたい!という方に効果的です。また、ビッグボール以外にも、小さなボールやセラバンドを使ったエクササイズもあり、機会がありましたら、こちらもご紹介していきたいと思っています。

次回は他のインストラクターから教わる番です。今後もあらゆるメソッドに触れ、いいところを吸収し、みなさんにご提供していきたいと思います。

ブログ

こんにちは。とても暖かい陽気です。4月だというのにニュース番組では、早くも熱中症に気をつけるよう呼びかけが始まりました。こまめな水分補給をしていきましょう。

さて、今日は肩甲骨について書きたいと思います。肩甲骨ってどんな骨か皆さんご存知ですか?そう、背中に天使の羽のようにある2つの骨です。この骨は、肋骨や脊柱と連結していないんです。鎖骨とだけ、つながりのある骨なんですね。なので、上下、左右、回旋など自由に動きます。それは一方で安定していない骨、とも言い換えることができます。ピラティスではエクササイズの際、肩甲骨の安定をとても重視しています。

肩甲骨を安定させる筋肉は5つあります。僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋、前鋸筋、そして小胸筋です。これらがバランス良く働くことで、肩甲骨のニュートラルを保つことができるんですね。どれかが硬く固まっていたり、弱いと、肩があがったり、猫背になったり、肩甲骨が飛び出ていたり(ウィングといいます)、不良姿勢の元となります。私の場合、前から見ると右肩が上がって見えるのですが、きちんと姿勢分析をすると、実は左肩甲骨が下がっていることがわかります。この場合、左肩甲骨を下制させる筋肉が強いのか、挙上させる筋肉が弱いのかなー、と推理をし、その人にあったエクササイズを提供します。姿勢分析はまた機会がありましたらお話しますね。

それぞれの筋肉ですが、簡単に。肩こりの代表選手、僧帽筋は上部は肩甲骨を挙げ、下部は肩甲骨を下げる働きをします。この筋肉は、肩こりがひどい人の場合、盛り上がっていることもあります。肩甲挙筋は肩甲骨を挙げたり、首を左右に向ける働きをする筋肉です。あごを前に突き出した姿勢の方は、ここに負担がかかりますよ。スムーズに動かして、後ろから呼ばれた時には、さわやかに振り向きたいものです。そうそう、寝違えて首が痛い、というのは肩甲挙筋です。その他、ボクサーのように手を前に差し出すときに働くのは前鋸筋で、ここが硬いと猫背になったりします。その逆の働きをするのが菱形筋で肩甲骨を寄せる働きをします。

一生懸命エクササイズをすると、つい肩が上がってしまいます。また、どこかが硬いと、例えば首を横に向けようとして、肩をあげたり、首を傾けたりして、横を向いた風の動きをする代償動作が生じます。ピラティスではエクササイズの準備の段階で、必ず肩甲骨を安定するよう意識づけています。さらに、肩甲骨を安定させるエクササイズを行い、少しずつ肩甲骨を正しいアライメントへ導きます。ピラティスで肩こりを解消しましょう!

ブログ

こんにちは。1週間の始まりですが、今日から雨ということで、通勤時間帯に大雨にならないといいですね。

ホームページ上に「自己紹介」のページを追加しました。ぜひ覗いてみてください。その自己紹介に趣味のことに触れていますが、今日はその1つ乗馬とピラティスについて書きたいと思います。

みなさんは乗馬をしたことがありますか?最近では歌手の華原朋美さんや欅坂46の菅井友香さんが馬術の国際大会に出場したり、華原朋美さんがドイツに留学するなど、乗馬のメディア露出度が大幅アップしていますね。やってみたいけど、何となくハードルが高く感じている方も多いのではないでしょうか。馬が勝手に歩いたり走ったりしてくれるから、乗っている方は疲れないでしょ?なんてイメージを持っている方もいるかもしれませんね。ところがところが、乗馬はメチャ体幹力が必要な運動で、外乗(馬場ではなく屋外で)1日乗っていると全身筋肉痛になります。ここでもピラティスが役に立つんです。

まず、乗馬は鞍に座り、あぶみに足を乗せ、手綱を持ちます。馬が少しでも楽に歩いたり走ったりできるよう、乗り手は馬の邪魔をせず、ふんわりと乗ることが大切です。姿勢が良いことは大切ですが、姿勢を良くしようと身体をがっちり固めるのではなく、馬と一緒に揺れるとともに、馬がよろけても自分は地面に対して常に平行にいる、という何だか矛盾したバランス感覚が必要です。あぶみはブラブラしているので、当然不安定です。鞍の上にある坐骨が自分のバランスを感じる鍵となります。手綱は引っ張るとブレーキ、曲がる時は左右どちらかを少しずつ引くなど、その動作は馬への合図なので、バランスが崩れるたびに引っ張っていると、「えっと、曲がるの?止まるの?」と馬がイラっとし始めます。また、足も同様です。「脚を入れる」と言って馬のお腹を圧迫することで「進め」の合図になります。足が外旋して、合図でもないのに馬のお腹にかかとが当たったり、手綱を引きながら意図せず脚が入ったり、その繰り返しで馬に「このひとヘタ」と判断され、言うことを聞いてくれなくなります。

ピラティスはエクササイズ中、つま先や膝の向きに注意を払います。意外と気づかずに片足または両足とも外旋または内旋しています。ご自身の身体に向き合い、すべてコントロールできるようエクササイズをします。体幹を強化するだけでなく、手・首・足すべてに注意を払うことは、乗馬で馬をイラつかせないだけでなく、日常生活でも怪我や歪みの防止・改善に役立ちます。乗馬の場合、馬上ではなく、地に足がついたところで落ち着いて練習すると、上達の近道となります。

乗馬を現在やっている方だけでなく、乗馬を始めるきっかけが欲しい、という方を対象に、いつか、日頃お世話になっている牧場(北海道と浅間のいずれか)とコラボしたワークショップを開催したいと考えています。乗馬に必要な知識と乗馬のためのピラティスを数回ご参加いただき、みなさんで外乗に出かけましょう!馬に乗って川を渡ったり、歩いては入れない笹の密集地で笹こぎレース、馬上から見る大自然は本当に最高です。文字通りヤジ馬たちが出迎えてくれますよ。乞うご期待!

ブログ

こんにちは。今日はとても暖かいですね。実は今日、このホームページにプロフィール写真を載せるため、カメラマンさんにお願いして撮影を予定しています。少しでも綺麗に見せるため、日頃お世話になっている美容師さんにヘアメイクをしっかりしてもらいました。ところが!!帰る途中に目の中に虫が飛び込み、涙ボロボロ。せっかくのメイクが・・・がんばって化粧直ししなくては!!写真は来週にはアップしたいと思います。

さて、ピラティスの話をします。みなさん、ちゃんと手はあがりますか?例えばラジオ体操では手を回したり、身体を反らしたりできていますか?

ピラティスでも準備運動やエクササイズで手をあげたり、回したりしていただきます。その時、手をあげることに夢中になって肋骨がビローンと開いてしまう、となるとこれはNGです。ピラティスは脊柱・体幹を安定させながら動いていただく練習をします。肋骨は脊柱と繋がっていますので、肋骨が開くということは、脊柱が少なからず反っている、ということ。下位肋骨には腹筋が付着しているので、腹筋でしっかりコントロールしながら手をあげたり、回したりするよう指導します。

肩が痛いなどの理由で手をあげにくい方はたくさんいらっしゃいます。そこで体を反らしたりしてしまうんですね。これは代償動作といって、手の上げ下げだけでなく多く見受けられます。例えばラジオ体操で「胸の運動〜♪」や「体を横に曲げる運動〜♪」で肩をあげて首だけ後ろや横に傾けたりしていませんか?目的の場所がストレッチされていないばかりか、むしろ首肩が痛くなりそうです。ラジオ体操は主にストレッチ運動です。せっかくなので、どこを伸ばす運動なのか意識してみるといいと思います。

肋骨が開くのは、息を吸う時などにも自然に開きます。これを利用し、ピラティスでは吸いながら脊柱を反らせたり、逆にやりにくく負荷を加えたりもします。ただ、手の動きで体が反ってしまう、足の動きで骨盤が揺れてしまう、ということがないようにマットピラティスでは体幹の安定を目的としたエクササイズが基本です。これにより、腰痛や肩こりの解消、パフォーマンスの向上に役立てられるのかと思います。また、マシンを使うと、手や足の要素も加わりますが、これはまた機会があったらお伝えしますね。ご自身の身体の使いクセ、見てもらいながらエクササイズすると、本当に身体は変わりますよ。

ブログ

こんにちは。先日の雨にも関わらず、まだまだ桜はきれいですね。

ところで、浅田真央選手が引退ということでショックを受けています。真央ちゃんの底力を見るたびに感動させられていました。ソチ五輪のラフマニノフは、いつ見ても鳥肌がたち、涙が出てしまいます。一つの時代が終わるようで寂しいですが、本当にお疲れさまでした。

さて、ピラティスの話をします。先日はピラティスとヨガの違いについてお伝えしました。ピラティスではお腹を締めてエクササイズすることで腰背部を安定させ、保護します。ピラティスに行くと「お腹締めて」とか「お腹を薄くして」「腹横筋や骨盤底筋を意識して」などと言われます。そこで言われた側はがんばって目一杯お腹をしめてしまうのですが、実はそれはNGです。ちなみに腹横筋は胴体部分をクルッとサランラップやコルセットのように覆っている、一番深いところにある筋肉、骨盤底筋は骨盤内でハンモックのように下から内臓を支えている深層筋です。

腹横筋は前述のように体幹を安定させる筋肉で、吐く息で収縮します。実際にお腹を薄くする作用があり、女性ならきつくなったスカートをはく瞬間、男性なら健康診断で腹囲を測る時に使った経験がある方も多いかもしれません。でも、目一杯お腹をへこませた状態で1日過ごすとなると、当たり前ですが肩も凝るし腰も痛くなるでしょう。矛盾するようですが、エクササイズでもリラックスしてお腹を薄く締めたいものです。例えば目の前に100本のロウソクがあるとして、一息で消すとなると、かなりの力が入ると思いますが、細い息でゆっくり消すとすれば力むことはないと思います。呼吸をうまく使って腹筋を使うことが大切です。目安としては精一杯力む場合と比較してその20%程度の力ということですが・・・

ジョセフ・H・ピラティスの直弟子にイブ・ジェントリーという人がいます。現在骨盤を後傾させたり、その動作について「インプリント」や「インプリンティング」と呼ぶピラティス団体もいくつかありますが、この「インプリンティング」を提唱した人がイブです。イブの言うインプリンティングは脊柱が引っ張られてマットに沈んでいく感覚、ハリウッドの手形を採る時、粘土(?)に手を強制的に押し付けるのではなく自然に手が沈んでいくように、あるいは沼に沈んでいく感覚でインプリンティングをし、その感覚を腰椎、胸椎、首に応用させていく、としています。また、力で関節を固めるのではなく、関節をリリースさせるため小さな動きをする「プレピラティス」を導入したのもイブでした。今後機会があったらイブ・ジェントリーの話もしたいと思います。

長年ピラティスをやっているけれど首肩がつらい、という方は初心に立ち返って力を抜いてみるのもいいかもしれません。私の教室では、無理せず継続していただき、気がついたらできなかったことが自然にできるようになった、を目指します!

ブログ

こんにちは。昨日とは打って変わり今日はとても良いお天気ですね。昨日はピラティスの歴史についてお話し、その中でピラティスとヨガの違いについて簡単に、ピラティスは筋肉を鍛えるエクササイズ、ヨガは精神性と柔軟性重視の動きとお伝えしました。今日はもう少し違いについてお伝えしたいと思います。

まず呼吸が違います。ヨガは腹式呼吸なのに対し、ピラティスは胸式呼吸です。ゆっくりと深い呼吸をすることはガス交換が効果的に行われるだけでなく、リラクゼーション効果や自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。ヨガの場合ここに瞑想を加え、つらいポーズをとっていても安定した呼吸を心がけていくことで、精神的にも肉体的にも良い状態へ導き、それが日常生活にも役立っているのでしょう。大自然の中で自然のエネルギーを受けながらヨガをする、なんて考えただけでも清々しくなります。

一方、なぜピラティスは胸式呼吸なのでしょうか。前述のとおり、ピラティスは筋肉を鍛えることを目的としています。腹式呼吸はお腹を膨らませること、つまり腰部・腹部をサランラップのように覆っている腹横筋という深層筋がゆるんでいる状態です。この状態でエクササイズをすると腰背部の安定が損なわれ、とても危険です。初めてピラティスをするという方には、呼吸方法をとても重視してお伝えしています。

胸式呼吸とはいっても、胸部上部だけへの浅い呼吸は呼吸筋の使いすぎを招き、首や肩を緊張させてしまいます。腹式呼吸はエクササイズ中に腹筋を弛緩させ、腹筋による腰背部の保護がない状態になります。そこでSTOTT PILATESは胸郭の下・後ろ・脇へ立体的に呼吸をすることをお勧めしています。この呼吸は、普段忘れがちな胸郭の後部を開く事を可能にすると同時に、深い呼吸を可能にします。またこの呼吸方法では、吐く息でお腹をうすーくしていく練習をします。薄いお腹のまま息を吸い、さらに吐く息時にお腹を薄く、この吐く息は深層筋(腹横筋・骨盤底筋・多裂筋)の収縮を促します。その結果、骨盤と脊柱、特に腰部を安定させることができるのです。

例えば、ヨガのコブラのポーズとピラティスのスワンは見た感じでは似ています。ピラティスでは、腰背部を反らせる時も、お腹をしっかり締め、腰の柔軟性だけでなく、長い背骨を保って、背骨をひとつひとつ動かし脊柱全体を使う事を指導します。ヨガの方も試してみては?腰の柔軟性だけでやると危険ですよ。

ピラティスも自然のエネルギーを感じながらやってみたいですね。山登りとピラティスなど、山頂でピラティスをやる、というのも素敵ですね。いつか企画します。

ブログ

こんにちは。4月も半ばというのに寒いですね。近所の桜が満開を迎えていたのですが、花散らしの雨になりそうです。

さて、皆さんはピラティスをご存知ですか?よく、ヨガとどう違う?パッと見、マットの上で同じような動きをしているように見え、どう違うのか分からない、と言われます。端的に違いを言うなら、ピラティスは筋肉を鍛えるエクササイズ、ヨガは精神性と柔軟性重視、といったところでしょうか。ヨガの歴史は古く、紀元前インダス文明まで遡るということですが、ここでは、ピラティスの歴史をご紹介します。

ピラティス創始者であるジョセフ H.ピラティスは、幼少期はリウマチや喘息、くる病に悩まされるなどとても病弱だったそうです。それを克服するためヨガや体操、武術、スキーなどを積極的に行い、それらからオリジナルのエクササイズを考え、自己鍛錬に励んだそうです。このエクササイズがピラティスの原型で、そういう意味ではヨガの要素を取り入れたエクササイズと言えますね。

1920年代第一次大戦時イギリスのマン島で、ジョセフ H.ピラティスは負傷兵の看護等にあたります。自身の考案したエクササイズを負傷兵がベッドに寝たままでもできるリハビリに応用できないかと考え改良されたのが、現在のピラティスの始まりと言われています。この時にベッドのスプリング等を利用したリハビリ器具を考案し、現在のピラティス専用マシンへと発展していきます。1926年、ジョセフ H.ピラティスはアメリカニューヨークへ渡り、スタジオを開設しボクサー、ミリタリーへのピラティスの導入・指導、さらに有酸素運動などフィットネスの要素を加えピラティスを発展させていきました。

1930年代世界大恐慌時、食料の確保も難しい時代、このエクササイズはダンサーに受け入れられました。バレエをお好きな方ならご存知かと思いますが、ジョージ・バランシン、マーサ・グラハムなど著名なダンサーを始め、多くの身体を傷めたダンサーがジョセフ H.ピラティスの元でピラティスを学びました。その後、友人である整形外科医にスポーツ医学の分野で高く評価されたことから、ピラティスメソッドはダンサーやスポーツ選手の間に広まっていったのです。

1950年代には、ダンサーであるイヴ・ジェントリーが、乳房切除術後、運動機能改善のためピラティスを行い奇跡的な復活を果たしたことから、病院にピラティスの導入の動きが始まりました。1983年にはサンフランシスコで初めての医療的なピラティスのプログラムが作られるなど、リハビリ要素の点においても評価されていきました。

その後一般に広く普及しはじめたピラティスは海を渡り、日本へも伝わりました。美容や健康、スポーツのパフォーマンス向上のためにピラティスを取り入れている方も多くいますが、アメリカなどの海外と比べると、その認知度はまだ低いものです。特に、リハビリとしてもピラティスが使えることを知らない人も多いのではないでしょうか。こうした側面も多くの方に知っていただきたいなと思います。

ピラティスは呼吸とともに、ご自身の体重を利用して無理なくできるエクササイズです。もともとリハビリのために開発されたエクササイズなので、筋力や身体の柔軟性に関係なく行えます。高齢の方、産前産後の方、怪我をしてリハビリ終了後も不安な方、10年・20年後も元気でいたい方にもおすすめします。